【Tplus株式会社が教える】定期訪問のスケジューリングと内容の工夫

営業活動では、新規顧客を獲得することだけでなく、すでに取引のある顧客との関係を継続し、信頼を積み重ねていくことも重要です。そのために有効なのが、契約後や購入後も定期的に顧客と接点を持つ「フォローアップ営業」です。

特にBtoB営業では、一度契約したからといって、その後も自動的に取引が続くとは限りません。競合企業からの提案、担当者の変更、顧客側の事業環境の変化などによって、取引関係が変わる可能性があります。

そこで重要になるのが、定期訪問を単なる挨拶や御用聞きで終わらせず、顧客にとって価値のある営業活動として設計することです。

今回は、営業における定期訪問の頻度やスケジュールの考え方から、訪問時に提供したい情報、さらにリピート営業へつなげるフォローアップの仕組みまで詳しく解説します。

顧客との関係を深める定期訪問の頻度とスケジュール設計

定期訪問による営業で大切なのは、「すべての顧客に同じ頻度で訪問する」のではなく、顧客との関係性や契約内容に合わせて営業スケジュールを設計することです。

頻繁に訪問すれば関係が深まるとは限りません。特に、毎回明確な目的がない状態で営業担当者が訪問してしまうと、顧客にとって定期訪問そのものが負担になる可能性があります。反対に、契約後にほとんど連絡を取らなければ、顧客が抱えている課題や不満、追加ニーズに営業担当者が気付けないことがあります。

そのため、営業では顧客を「契約内容」「取引規模」「更新時期」「利用状況」「今後の提案可能性」などによって整理し、適切なフォロー頻度を設定する方法が有効です。

例えば、継続的な支援が必要な顧客には月1回程度の訪問や打ち合わせを設定し、比較的安定してサービスを利用している顧客には四半期ごとの営業フォローを行うなど、営業先ごとに優先順位を決めます。

さらに重要なのが、次回の営業予定を訪問後にその都度考えるのではなく、ある程度先までスケジュール化しておくことです。

Salesforceでは、営業における「Sales Cadences」として、メール、電話など複数の営業タスクを組み合わせ、顧客へのアプローチを順序立てて管理する考え方を紹介しています。また、CRMによって顧客情報や行動履歴、問い合わせ内容、商談履歴などを一元管理することは、継続的な顧客関係の構築にも役立つとされています。

つまり、定期訪問は営業担当者個人の記憶だけに頼るのではなく、「誰に・いつ・何の目的で営業するのか」を組織として管理することが重要です。

営業スケジュールを仕組み化すれば、長期間連絡していない顧客や契約更新が近づいている顧客なども把握しやすくなり、営業機会の見逃し防止につながります。

売り込みだけにしない定期訪問の内容と情報提供の工夫

定期訪問営業を成功させるために特に意識したいのが、「毎回商品を売ろうとしないこと」です。

顧客にとって営業訪問のたびに追加契約や商品購入を求められる状態になると、次第に「営業される時間」と認識される可能性があります。これでは、顧客との長期的な関係を構築することが難しくなります。

理想的な定期訪問営業は、「営業担当者と話すことで役立つ情報が得られる」と顧客に感じてもらえる状態です。

例えば、業界の最新情報、他社の成功事例、サービスの新しい活用方法、業務効率化につながる情報、顧客の課題に関連する市場動向などを営業担当者から提供します。また、自社サービスの利用状況を確認し、「導入後に困っていることはありませんか」「今後改善したい業務はありますか」と聞くことも重要です。

営業は、話すこと以上に「顧客の話を聞くこと」が大切です。

定期訪問の中で顧客の課題や要望を把握できれば、その場ですぐに営業提案を行わなくても、後日その課題に合った商品やサービスを提案できます。結果として、顧客にとっても営業担当者にとっても納得感のある商談につながります。

Zendeskでは、顧客維持について、質の高いやり取りと優れた顧客体験を組み合わせることで、顧客とブランドとの関係を強化することが重要だと説明しています。

そのため、定期訪問営業では「今回は何を売るか」だけではなく、「今回は顧客にどのような価値を提供できるか」を事前に考えておくことをおすすめします。

営業訪問前に、過去の相談内容、契約内容、問い合わせ履歴、前回訪問時の課題などを確認し、それに関連する情報を1つでも準備しておくだけでも営業の質は変わります。

顧客から「何かあったらこの営業担当者に相談しよう」と思ってもらえる関係を構築できれば、それ自体が将来の営業機会につながる重要な資産となります。

定期訪問からリピート営業につなげるフォローアップの仕組み

定期訪問営業は、訪問して終わりではありません。リピート営業につなげるには、「訪問前・訪問時・訪問後」の情報を継続的に蓄積し、次の営業活動につなげる仕組みが必要です。

例えば、営業担当者が訪問した際に「半年後に新店舗を出す予定」「現在利用しているサービスに少し不満がある」「来年度から予算を増やす可能性がある」といった話が出たとします。

こうした情報を記録せず、営業担当者の記憶だけに残してしまえば、数か月後には忘れてしまう可能性があります。しかし、CRMや営業管理システムに情報を残し、「3か月後に状況確認」「契約更新1か月前に連絡」などの営業予定まで登録しておけば、適切なタイミングでフォローできます。

MicrosoftもCRMについて、販売・マーケティング・サービスの顧客データを統合し、顧客との関係を深めるために活用する考え方を示しています。また、会議のスケジュール設定や見込み客へのフォローアップといった定型的な営業業務を効率化する仕組みも紹介しています。

さらに、リピート営業を増やしたい場合は、営業結果だけではなく「次回アクション」を記録することが重要です。

例えば、

・次回訪問予定日
・今回聞いた顧客の課題
・顧客が興味を示したサービス
・次回提供する情報
・契約更新時期
・追加提案が可能になる時期

などを営業記録として残しておきます。

これにより、次回の営業担当者が「その後いかがですか」と漠然と話を始めるのではなく、「前回お話しいただいた〇〇について、その後状況はいかがでしょうか」と具体的なフォローができます。

また、担当営業が変更された場合でも、過去の営業履歴が整理されていれば、顧客に同じ説明を何度も求める必要がありません。HubSpotもCRMについて、顧客データを一つのプラットフォームに統合し、メールや通話などの情報を管理できる仕組みを提供しています。

営業のリピート率を高めるには、優れた営業担当者だけに頼るのではなく、顧客との接点を組織として残し、適切なタイミングで営業できる仕組みを作ることが重要なのです。

まとめ

定期訪問営業で重要なのは、単純に「何度も顧客を訪問すること」ではありません。

顧客ごとに適切な営業頻度を設定し、訪問する目的を明確にしたうえで、顧客にとって有益な情報や提案を提供することが大切です。そして、訪問で得た情報を記録し、次回のフォローアップ営業へつなげることで、定期訪問がリピート営業や追加契約につながる仕組みへと変わっていきます。

特に意識したいのは、「売るための営業」だけではなく「相談してもらうための営業」を目指すことです。

顧客から相談を受けたときだけ営業するのではなく、適切な間隔で接点を持ち、顧客の状況や課題の変化を把握する。そして必要なタイミングで最適な提案を行う。この積み重ねが顧客からの信頼につながります。

また、営業活動を担当者個人の経験や記憶に依存させず、CRMなどを活用して訪問履歴、相談内容、次回フォロー予定などを共有できる状態にすることも大切です。

新規営業だけを追い続けるのではなく、すでに自社を選んでくれた顧客との関係を丁寧に育てること。そのための定期訪問とフォローアップを仕組み化することで、営業の継続性が高まり、リピート営業、追加提案、紹介といった新しい営業機会も生まれやすくなるでしょう。

Tplus株式会社では、営業における定期訪問を「契約後の挨拶」ではなく、顧客との信頼関係を長期的に育てる重要な営業活動として考えることをおすすめします。

参考・引用先

Salesforce「Sales Engagement」
https://www.salesforce.com/jp/products/sales-engagement-platform/

Salesforce「CRMとは?機能やメリット、活用法をわかりやすく解説」
https://www.salesforce.com/jp/crm/what-is-crm/

Zendesk「顧客維持の指標・戦略・例」
https://www.zendesk.co.jp/blog/customer-experience/retention/customer-retention/

Microsoft Dynamics 365「CRM ソリューション」
https://www.microsoft.com/ja-jp/dynamics-365/solutions/crm

HubSpot「無料CRMソフトウェア」
https://www.hubspot.jp/products/crm

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